minority’s diary

ゲイなギフテッドの自己記録

中三の夏

中三の夏、レイプをされた。

23区外とはいえ、90年代の東京で、こんなことが起きるなんて、未だに信じられないし、信じたくはない。

 

小学校6年間同じクラスだった女の子がいた。

幼馴染みたいなもので、気がついたらずっと好きだった。

小学校の担任に、私立の中学受験を勧められた。

けど、その子と離れるのも嫌だし、勉強が好きなわけでもないし、断ったくらい。

中学に入ってクラスが別々になっても、まだ気持ちは残っていて。

 

中学時代は、バレーボール部に入部した。

けど、身体を壊して途中で退部。

部活はやめたけど、部活の仲間というか仲の良い友達とは、仲良くしていた。

抱き合ったり手をつないだりしていたけど。 

思春期特有の同性が気になるっていう程度だったとは思う。 

同性愛に興味がなかったわけではないし、素質はあったとは思うけど、そうなるつもりはサラサラなかった。 

ただ、興味があったという程度。

好きなのは、変わらず女の子だった。

 

 

中三の夏を迎えるまでは。

 

 

夜、と行っても19時前後だったと思う。

近所のコンビニに買い物に行く。

そんな日常。

徒歩5分くらいの道のり。

その間に。

 

歩いていると、隣に車が止まり、声をかけられた。

東南アジアの人みたいで、片言の日本語で、道を尋ねられた。

英語ができるわけでもないし、丁寧に教えてあげようと思ったのが、運の尽き。

地図を広げて場所を聞いてきたので、身を乗り出してジェスチャーを含めて説明しようとしていたその瞬間。

車につれこまれ手足を押さえ込まれて。

それからのことは覚えていない。

終わった後に、数千円を手渡された。

後ろめたさがあったのだろう。

放心状態で、ぼーっとしていたら、家まで来ないかと。

なんとかして逃げなければと、いいけど、一度家に帰らせてくれと伝えて、車から降りて、走って逃げた。

帰宅した後も、トイレにこもって泣いていた。ただただ。

それから、自分自身がわからなくなった。

何かが壊れたかのように、心が欠けたように。

自分が男が好きなのか女が好きなのかもわからず。

ただ、男も性的対象で見ることができるということに気がついただけで。

性的対象として見るではない。

セックスができるんだということに気がついただけ。

 

誰にもいうことはできずに、ずっとずっと悩んでいた。

高校時代。

学区でも上位の進学校に進学した。

けど、勉強が好きで入ったわけでもなく、勉強なんて、特別しなくても成績良かったし、

家から近いし、公立だし。

そんな理由。

だいたい周りもそんな人たちが集まっていたと思う。

だから最初の頃は成績は半ば。

 

精神的には不安定だし、興味のないことを勉強するのは苦だし、徐々に科目によって、成績が落ちこぼれて行く。

学校も行ったり行かなかったり。

というか、授業によって、出たり出なかったり。

朝授業受けて、昼から映画を観に行ったり、そんな大学生みたいな生活を送っていた。

 

でも、苦しくて。

自分が何者なのかわからなくて。

誰にも相談できなくて。

 

今まで以上に精神医学の本を読み漁った。

その結果、精神科の門戸を叩くことになる。

 

症状はうつ病を演じて、とにかく抗不安薬を処方してもらうことが目的。

本音なんて話さない。

精神科医になる夢なんてもうなくなっていた。

なぜなら、燃え尽き症候群になるということを知ってから。

面談の時は、親身になって相談に乗っているようなそぶりを見せるけど、実際に心はここにあらずで義務的に仕事をこなしているだけ。

今なら理解はできる。

けど、当時の誰にも言えない深い悩みを抱えていた高校生には、それでは嫌だった。

だから、うつ病の典型的な症状をいくつか伝えて処方してもらっていた。

 

ここから、ずっとずっと精神科との付き合いは続くことになるとは思わなかった。