終活
こんな人生でも幸せだったと思って死ねたかもしれない。
そんな幸福感を感じることがあった。
そして、それは一瞬にして。
あとは転がり落ちて行くだけ。
仕事で終活について調べてみた。
終活産業。
これからのビジネス。
人それぞれ、いろんな人生を過ごして生きてきて、死へと向かっている。
日々。
死ぬ瞬間。
どんな死に方をするのか。
どんな想いを馳せるのか。
遺産や遺品の整理。
想い出をまとめる。
場合によっては、家を引き払って、介護施設に入所。
何をもって入所するのか。
何をもって旅立つのか。
取捨選択。
断捨離。
そんなことを求められる。
人生を振り返って後悔しない人もいるだろう。
振り返ることすら拒否したくなるような人もいるだろう。
幕引きの仕方をどうするのか。
そんなことを考える。
幸せの絶頂で、哀しみも後悔も、そういう負の感情をまったく感じない状態で、朽ち果てたい。
旅立ちたい。
そうすれば、きっと。
こんな人生だったけど、それはそれで幸せだったんだなと、思えるだろうから。
苦しんで死ぬのではなく。
日常生活を淡々と過ごしていて死ぬのではなく。
幸せを感じている瞬間にそのまま消え去りたい。
嫌なこと、哀しいこと、辛いこと。
全部忘れたまま。
この世に残して旅立ちたい。
死んだらどうなるのだろう。
あの世はあるのかこの世に漂うのか。